○○で簡単に美味しくなる!中国茶の淹れ方

中国茶の淹れ方の中に、洗茶という言葉があります。レシピに出てくる時と出てこない時があるのです。今回は洗茶をするだけで美味しくなる中国茶をご紹介します。




1.洗茶とは



1-1.洗茶とは、なにをすることでしょうか?(洗茶とはどんな工程?)

洗茶という言葉をご存知でしょうか?洗茶(せんちゃ)とは日本茶や紅茶にはない、中国茶独特の工程のひとつです。

中国茶を入れる際に 最初に熱湯でお茶の葉を洗うことを【洗茶】と言います。

日本茶や紅茶を淹れる際は 茶葉を湿らせないことがとても大切ですので

【洗茶】は中国茶だけの工程です。

では【洗茶】には どのような意味や効果があるのかご紹介していきましょう。

1-2.洗茶をする理由は?

洗茶を行う理由は一体なんでしょうか?

ひと昔前は 中国から輸入されるお茶の衛生上の不安がありました。製茶そのものの工程や、出来上がった茶葉が保管されている場所の管理が徹底されていず良くない環境の茶葉には埃やカビが付着している、とも考えられていました。食品に関する規約が徹底されていなかったのですね。特に、黒茶の碾茶や餅茶などは 保存用として何十年も保管されているものもありますので衛生上、必要であったかもしれません。

けれども、現在は整備された状態で生産されていますし日本に輸入されるものは 一定以上の基準のお茶になります。ですから、現代の【洗茶】は 殺菌、埃を取り除く、という目的が第1でなされている工程ではありません。【洗茶】をする主な目的についてご説明いたしましょう。


洗茶の目的1: 茶葉を開かせること

台湾のウーロン茶 安渓の鉄観音などの茶葉は 粒上に丸くなっています。これは 揉捻という過程で丸く粒状に整形されているからです。固く丸まっているので、そのままお湯を注いでも湯が当たるのは茶葉の表面だけで、粒状の茶葉の中の方にはお湯が届かず染み込みません。お茶本来の旨味を引き出すためには 茶葉に十分に湯が浸透しなければいけません。

粒状の茶葉は洗茶することで湯が浸透し、ほぐれていきます。次のお湯を注ぐと 速くおいしいお茶が抽出できるのです。


洗茶の目的2: 抽出の前に茶葉を温めること

洗茶することで、茶葉の温度が上がります。中国茶がおいしく淹れられるお湯の温度は100℃ぐらいです。その温度を保つのが実際にはとてもむずかしいですが、洗茶することで、ある程度、茶葉そのものの温度を上げておくことが可能です。

ひと手間の洗茶が最適の抽出温度を保ち 中国茶をおいしくするのです。また、お湯の温度が下がると味や香り、栄養分であるポリフェノール類が、十分に抽出されずそのお茶の本来の味や香り、旨味を楽しむことができなくなります。


洗茶の目的3: 抽出ごとの香り・風味にまろやかさを出すこと

中国茶は 何煎も淹れて、その味わいや香りの変化を楽しめるお茶です。4煎は普通で7~8煎目まで楽しむことができます。洗茶は、前述の①(昔は)消毒(今は)茶葉を開かせお茶の温度を高温に保つ以外に、雑味をとって、まろやかな風味にする、という効果があります。日本茶や紅茶にはなく慣れない工程である洗茶ですが、高級な茶葉ほど、お湯の浸透が速くふやけやすいので、あまり時間をおかずお湯を捨ててしまって大丈夫です。


2.中国茶を美味しくする洗茶


2-1.洗茶のやり方

では洗茶の方法をご紹介いたしましょう。

茶壺(チャフウ)を使った手順

  1. 茶壺に熱湯を注ぎ温まったら茶杯にも湯を注ぎ温める。

  2. 茶壺に大匙2杯くらいの茶葉を入れる

  3. 茶壺にたっぷりの熱湯を注ぐ

  4. すぐに茶壺の中の湯を捨てる。これが洗茶の工程s

  5. すぐに熱湯を注ぎ、茶葉の種類や好みに合わせて1~3分蒸らして1煎目を淹れる

2-2.洗茶の効果

洗茶の効果をまとめますと

  1. (昔は)汚れを取り除く(今は)茶葉を開かせる

  2. お茶の抽出を良くする

  3. アクをとり、まろやかなおいしさを引き出す

ということになります。汚れを取り除くという必要性は近年無くなってはいますが、洗茶することでおいしく淹れることができ、アクが取れて雑味のない味わいになります。

また、洗茶をすると、味も香りも、栄養成分も1煎目にすべて偏って出てしまうことがありません。5煎目くらいまで少しずつ変化しそれぞれ違った美味しさを楽しめます。

特に、3煎目あたりの香は素晴らしく、アロマテラピー効果があります。アロマテラピー効果とは お茶の香気成分がセロトニンやエンドルフィンなどのホルモンの分泌を促し リラックスや幸福を感じさせる効果です。

【洗茶のやり方のコツ】

洗茶の際、時間をおかずに、すぐに最後の一滴まで湯を捨てることです。同様に茶壺に湯を残さず、最後の一滴まで淹れて香成分や味の成分を無駄にしないようにしましょう。

2-3.どのお茶にも洗茶は必要?

では中国茶では、すべてのお茶に【洗茶】の工程が必要なのでしょうか?洗茶の必要性は茶葉によって異なります。


①プーアル茶

日本でもデトックス効果で人気のプーアル茶ですが、プーアル茶などの黒茶は何年も熟成させていたり、固めて保存してあったりすることも多いので洗茶が必要です。衛生上安心ですし、独特のカビ臭さなどが取れて味わいが変わります。

②凍頂烏龍茶(球状の茶葉)

青茶の凍頂烏龍茶は茶葉の形状が丸まっています。柔らかく開かせるために洗茶します。

しかし、高品質でデリケートな凍頂烏龍茶は「洗茶しないでください」と説明しているものもあります。形状で言うと条形というよじれた茶葉には洗茶が必要なく丸まった球状の茶葉は洗茶をするほうが良いとされています。



3.洗茶で美味しくなる中国茶の楽しみ方


3-1.中国茶の淹れ方

洗茶の工程を含む一連の中国茶の淹れ方をご紹介いたします。

まず茶器ですが 中国茶専用のものもありますが、身近にあるもので代用できます。

①茶壺(チャフウ):急須やポットで代用できます。 ②茶杯(チャハイ):中国茶で使われる小さな茶器です。お湯飲みで代用できます。

【プーアル茶の美味しい淹れ方】


◎2-3人分の場合

  1. 茶壺に熱湯を注ぎ茶壺が温まったら茶杯(茶碗)にお湯を注ぎ入れ、温める。プーアル茶などの黒茶の茶葉は大きいものが多いので、茶壺もあまり小さいものは適さない。

  2. 茶壺に茶葉を入れる、大匙2杯程度。茶壺の深さの5分の1程度が目安。

  3. 茶壺にたっぷりの熱湯を注ぐ。

  4. すぐに茶壺の中のお湯を捨てる。その湯で茶杯を温めても良い。

  5. 再び茶壺に熱湯を注ぎ、蓋をして好みの時間抽出し 茶杯に均等に注ぎ分ける。

◎1人分の場合

  1. プーアル茶葉 5g  

  2. 洗茶する湯量 110~130cc 

  3. 1煎目から5煎目くらい常時1~2分の蒸らし時間

3-2.淹れ方で知っておきたいポイント

洗茶は、球状の茶葉や、烏龍茶、プーアル茶などにおススメする工程です。球状の茶葉には「凍頂ウーロン」「四季春」「金萱」「鉄観音」などがあります。けれども、茶葉の生産技術などの向上によって、洗茶を必要しないものもあります。好みで洗茶をしない場合もあります。

また一方では、洗茶が不要な条形のお茶や、緑茶の場合も一瞬だけでも沸騰したお湯を通すほうが、おいしく淹れられると言われることもあります。洗茶のお湯を捨てたら、10~20秒ほど待つと、茶葉が蒸らされてスムーズに1煎目が抽出されるということです。

そして紅茶は本来一煎(一回)しか淹れないものですが、中国産のキーマン紅茶を洗茶すると、まろやかで深い味わいになります。


◎洗茶しない場合は?

ティーバッグになっているものはプーアル茶であっても、茶葉が細かいため洗茶は必要ありません。2-3煎楽しめます。そのためには最後の一滴まで注いで、次のお湯を入れるようにしてください。

いろいろなお茶で洗茶を試してみると新しい発見があり、自分だけの好みの味や香りを見つけることができるかもしれません。


まとめ

中国茶には洗茶という工程がありますが、現在では衛生上ほぼ必要はなく、茶葉を蒸らし、開かせて おいしく淹れるための工程となります。

一人分をマグカップで飲む場合も洗茶のひと手間をかけることで味は変わります。そのひと手間が お茶の時間をさらに優雅に、趣のあるものへ、と変えてくれます。

また、あえて洗茶をせずに、そのお茶の強い個性を味わう、という飲み方もあります。洗茶をする、しない、時間を変える、などで味わいや香りの変化を楽しむことができますね。自分だけのお気に入りの淹れ方、味、香りを見つけることができるのも中国茶の楽しみのひとつです。