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中国のお茶の安全対策とは

中国の食品の安全性について問題視する事実を報道で聞くと、中国茶の安全性も気になるところ。中国茶を含めてすべてのお茶は「茶樹」の葉を加工して作られています。茶葉が植物である以上残留農薬問題は切り離せません。


そこで、中国のお茶を安心して飲む為に安全対策がどの様にとられているかをお伝えしていきます。




1 安全性の確認方法とは


2002年、中国産冷凍ほうれん草から相次いで、クロルピリオスが検出され、大きな社会問題となりました。この問題を大きく見た日中両国は様々な取り組みを進めて、2004年以降は残留農薬違反は大きく改善されました。

では、中国茶の場合はどのような改善策がとられたのでしょうか。詳しくお伝えしていきます。


1-1 ポジティブリスト制度

2006年から始まった輸入食品に関する残留農薬の検査です。残留する農薬、食品の全て、適用外作物を含む全ての作物基準値を設定して微量でも検出されると輸入の規制されています。


それまではネガティブリスト制という管理方法で、リストに記載されている農薬のみを管理すれば良い、つまりレストにない農薬は管理対象外でした。

しかし、ポジティブ制は「リストに記載の無い農薬はそれが何であろうと、0.01ppm以下で管理しなければならない」です。

この法律は、ヨーロッパの基準より厳しい事から、日本は世界一厳しい農薬基準を持つ国となりました。リストに記載されていなかったら、農薬は「何を使っても良い」という感覚から、管理された基準値輸入国へと変化しました。



1-2 3つのチェック体制


日本に輸入されてくる中国茶は、大きく分けて、3つの検査方法があります。

1 定期的に輸入業者への指導を行う検査

2 実際に輸入されたものを無作為で抽出し、違反がないか検査するモニタリング検査

3 自主検査、モニタリング検査、収去検査で違反が判明した際に実施する命令検査



1-3 原因となった問題点

ポジティブリスト制度が導入される前、中国茶は国家統制品目であり、輸出ができる商社は限られていましたが、市場開放と同時に誰でも簡単に中国茶を個人輸入できるようになりました。

それと共に検査を受けずに日本に入って来る機会が増えていたからです。



1-4 中国側の改善点

日本では、輸入時に行われる命令検査は「トリアゾホス」一種類に関してのみ行われるが、中国では輸出時に「トリアゾホス」を始め、「DDT」や「ジコホール」など計10種の農薬検査が義務付けられており、これらをクリヤーしないと輸出許可が下りないシステムとなっています。

さらに大手中国茶輸出企業では独自で使用農薬の管理体制を作っているところもあります。

※トリアゾホス=「有機リン系殺虫剤」

 DDT =「有機リン系の殺虫剤」

 ジコホール = 「農薬・殺虫剤・ダニ駆除剤」




2 基準値について


食品衛生法では残留農薬の基準値をどのように定めているのでしょうか。

2-1 基準値

<例> 【トリアゾホス】の場合の基準値は

(食品衛生法基準)

トリアゾホス 茶葉に含有されていて良い数値=0.05ppm

ppmとは=kgの様に量そのものの単位では無く濃度を表すもの=%を示すもの

0.05ppm=0.000005%のこと

この基準を超えると、食品衛生法違反となり輸入禁止



2-2 残留農薬症状

残留農薬が体に及ぼす影響は次のような症状です。

<軽症>   

倦怠感・違和感・頭痛・めまい・胸部圧迫感・不安感・軽度の運動失調など

・嘔気・嘔吐・唾液分泌過多・多量の発刊・下痢・腹痛

<中等症>  

縮瞳・筋線維性れん縮・歩行困難・言語障害・視力減退

<重症>   

縮瞳・意識混濁・全身けいれん・肺水腫・血圧上昇・失禁 など

3 安心して中国茶を飲む為に気をつけたいこと


3-1 トレーサビリティーを知る

トレーサビリティーとは、茶葉の仕入先から生産状況が把握できること。

■ 販売→流通→生産 と遡った履歴を見ることが出来る


トレース = 追跡

アビリティ= できること

トレース+アビリティ=トレーサビリティ

3-2 中国農産省の食品規格を知る

中国では、中国国内、輸出基準をクリアするための食品に関する規格があります。これは民間企業にも認可されている。規格には以下の3つがあります。

1)無公害食品

農作物が政府から義務づけられている最低限の規格です。国内向けの流通商品は、無公害食品の認定が行われないと流通できない

2) 緑色食品

生産過程で、規定内の減農薬を使っていて3年ごとの更新、不定期の立ち入り調査が行われ、認定された生産者だけが示すことが出来る

3) 有機食品

3年以上生産過程で、化学合成農薬、化肥料、化学合成土壌改良資材を使用せず、堆肥(たいひ)等による土づくりを行った場で収穫した農作物について認定する

3-3 中国茶を安心して飲むために

茶葉の品質と安全性を公表している販売店から購入する事を心がけましょう。

1 トレーサビリティー

2 食品規格 

3 成分分析表

4 ネット通販なら農園や製造元の写真

(まとめ)


中国のお茶の安全対策についてお伝えしました。

口にする中国茶を楽しむ為にはただ、美味しいだけでなく安心して飲めるかどうかが重要です。

その為には、どのような工程でお茶が生産され、中国で検査、日本での基準値、チェック体制がどのようにされているのか仕組みを知り、「中国茶の安心・安全」を確実なものにして下さい。



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